町田・相模原イーストメリーウインドオーケストラ

第三回定期演奏会 / 町田市民ホール(2007/11/24)

演奏会までの道のり

第二回定期演奏会終了後、間髪入れずに準備は始まります。12月の始めに選曲がおこなわれ、翌週から練習開始です。最初に決まった曲は三部のメインとなる「ハイランド讃歌組曲」。この曲とはまさに一年まるまる濃密に付き合うこととなりました。では、他の曲についても同様に見ていきましょう。でも初合奏の日付なんて覚えてるの? いーやいや、こんなときのための団員日記

  • 2006/09/02:ルパン三世のテーマ
  • 2006/12/16:ハイランド讃歌組曲(Ardross Castle、Alladale、Dundonnell)
  • 2007/01/20:ハイランド讃歌組曲(Strathcarron)
  • 2007/02/03:ジュビリー序曲、グローバル・ヴァリエーション
  • 2007/02/18:スラヴィア
  • 2007/04/07:ディスコ・パーティー
  • 2007/05/12:ジャパニーズ・グラフィティXI「刑事ドラマ・テーマ集」
  • 2007/06/16:ハイランド讃歌組曲(Summer Isles)
  • 2007/09/16:ミュージシャンズ・ストライキ、エル・クンバンチェロ
  • 2007/10/13:追憶のテーマ(トロンボーンver)

こうやって見ると、なかなか感慨深いものです。書き始めると長くなりそうですが、新年特大号(ということになった)なので今夜は無礼講、長〜く書かせていただきます。部ごとにいきましょうか。

第一部

第一部は「ジュビリー序曲」「スラヴィア」「グローバル・ヴァリエーション」の三曲。練習開始はいずれも2月です。選曲投票の結果を聞いたときに「どひえー」と思ったことが記憶に新しい…。ちなみに「ジュビリー序曲」にはちょっとした内輪なゆえんがございます。正月早々イスメリの男たち数人で某ネズミ国へ行ったのですが、その道中でこのCDに収録されている金管バンド版の同曲(演奏は、かのBlack Dyke Band!)を聴き、あまりの格好良さに感動し、「やっぱジュビリーいーね!」となり、……嗚呼、無責任にこんなことになってしまった。ごめんなさい。でもこのCDはお勧めなので是非聴いてみて下さい(宣伝)。

第二部

今回とても好評だった第二部。あの形になるまでには、かなりの紆余曲折がありました。当初、ポップスステージ用として「ジャパニーズ・グラフィティXI『刑事ドラマ・テーマ集』」「ディスコ・パーティー」、その他数曲が一旦決定していたものの、どうもいまいちピンとこない、と。もうちょっと何らかのコンセプトを持たせたい、ヒネリを加えたい、と。演劇でもするか? アンサンブルを混ぜ込むか?

そんな話し合いのなかで挙げられたのが「ミュージシャンズ・ストライキ」。演奏者が徐々にストライキを起こして退場していくという曲です。実際に演奏したことがあるというメンバーの意見をもとに、「これでいってみようか」と決定。しかし、早速注文して届いた譜面が吹奏楽用編成ではないというトラブル。まあそんなことには負けず吹奏楽用に楽器を振り分けて練習していると、今度は「退場が細かすぎる」という事態判明。退場には演出がともなうため、あまり退場回数が多いと観客側に伝わりにくい。結果、各楽器の退場タイミングを新たに考え直し、退場演出も新たに考え、……というような苦労があった曲なのでした。

しかしまだ「なにかコンセプトを」という問題は解決していません。そこで出されたコンセプトが、「ミュージシャンズ・ストライキ」の「怒」からヒントを得た「喜怒哀楽」。

  • 喜…なんかハデなのやって
  • 怒…ストライキして
  • 哀…指揮者が悲しんじゃって
  • 楽…最後はハッピーエンドでよかろう

という簡単な発想から、あのステージの基礎は生まれました。形が見えてきたとはいえ、ここからがまた大変。どういう流れでストライキさせるのか。退場したメンバーを呼び戻すにはどうすればいいか。そういった繋ぎの部分に時間がかかりましたが、あるとき「喜怒哀楽」の縛りを外してみると、スムーズに先が見えてきました。まずは「ストライキ=怒りのストライキ」という概念を外し(=メンバーを怒らせる演出が要らなくなる)、一旦プログラムから外されていた「刑事ドラマ・テーマ集」を一曲目に再選し、一曲目予定だった「ディスコ・パーティー」はアンコールに移動させ(ちょうど同時期、アンコールの曲目にも悩んでいたのです)、指揮者立ち直らせ&演奏者呼び戻し役として「追憶のテーマ」のソリストを起用し、偶然その頃入団したとある人物の絡みで「エル・クンバンチェロ」がテキトーに決まり…。全てはなりゆきで決まっていきました。

本当に、いま思うとこの第二部は奇跡の固まりだったように思います。ですので、決して最初から計算し尽くされたステージではなかったと言えるでしょう。ぐちゃぐちゃしていたものがなんとなく近寄ってきて、本番ではなんかうまいことくっついてくれた、と。それぐらいのものだったのではないかと思いました。これだけでドキュメントが一本作れます、はい。第二部については後の本番レポ部分でもっと赤裸々に書いてしまいましょう、そうしましょう。

第三部「ハイランド賛歌組曲」

第三部にも第三部なりの苦しみがありました。大曲であるゆえの練習し辛さ、曲の技術的な難しさ、描写楽曲であるゆえの「イメージの統一」、その他諸々、とにかく丸一年みっちり苦労させられた曲です。

「ハイランド讃歌組曲」。この曲はもともと金管バンドのために作られた曲で、金管バンド版では全七楽章から成っています。吹奏楽版として一般に広く親しまれ演奏されているのは「Ardross Castle」「Alladale」「Dundonnell」の三曲ですが、今回イスメリではそれに加えて「Summer Isles」「Strathcarron」というふたつの楽章を組み込みました。この二曲は前述の三曲より後に単独で吹奏楽編曲されたもので、前述の三曲と比較するとまだ一般的認知度は低いと言えるでしょう。そんな曲をあえて組み込んだ理由、それはただ単にスパークが好きだからだ!(はた迷惑)

まあそんなわけで自ら首を絞めるような事態と相成ったわけです。お生憎様です。

この曲は語り出すと長いのでこれぐらいにしておきます。

アンコール

アンコールも演奏会の大切な一部分です。一曲目は、第二部の候補から移動してきた「ディスコ・パーティー」。純粋に明るくて軽くて楽しくてノれて、アンコールにはうってつけ! 終盤「フライ・ハイ」では演奏者自身も切なくなってくるという効能付き! 直前までのスコティッシュな重〜い空気を一気にぶちこわしてくれます。

二曲目は、去年に引き続き「ルパン三世のテーマ」。しかし!今年のルパンは違う! …これについては本番レポで書きましょう。

ああ、やはり大変なことになってしまった。長い。自重します。と言いたいところですが特大号はまだまだ続きます。