町田・相模原イーストメリーウインドオーケストラ

夏メリはじめました。 / ひなた村カリヨンホール(2010/08/29)

ひなた村カリヨンホール。町田市内の学校で吹奏楽部に入っていた人なら比較的誰もが馴染みのある手頃な施設です。中学校なら楽器講習会やアンサンブルコンサート、高校ならフレッシュコンサートなど、学校合同で行うイベントで使ったことのある人は多いのではないでしょうか。安くで借りられて、ステージはそこそこの広さ(狭いですが)があり、客席は少ない、というじつに使いやすい会場なのです(むしろ今までどうして使わなかったのかと思うぐらい!)。

「ひなた村とかでやりたいね!」「あー、ひなた村!いいね!」そんな話が内輪で出始めたのが恐らく5月頃。できたらいいねーぐらいのノリでしたが、無事ホールが予約できてしまったのでめでたく開催決定となりました。どんな演奏会になるかは全く分からないまま、納涼祭などと曲を被せながら非常にテキトーに行き当たりばったりの練習が進められていきました。

「『ばあん』よりは大きく、定演よりは小さく」そんなコンセプトのもと、これまで何度もやってきた定番のポップス曲や、普段の定演では選曲されにくい軽めの吹奏楽曲などが選ばれ、二ヶ月間ほどは定演の曲放置でこの「夏メリ」に向けて練習しました。やはり一年中ヘヴィーな定演曲とお付き合いするのはだいぶ疲れるので、こういう気分転換的な本番は嬉しいんです!(笑)

ちなみにこの演奏会タイトルは一応マジメに決めたもの…です…たぶん。団員日記をご覧になっていた方はご存知かと思いますが、仮タイトルは「ひなメリ」でした。「ひなた村=イスメリ」ですね。でもまあ、なんかひな祭りっぽいし少々かわいすぎるし、ってなわけでいろいろ議論を重ねた末「夏メリはじめました。」に落ち着きました。どう考えても落ち着いてない浮き足立ったタイトルですが、落ち着いたことにしてください。

そんなこんなで最後までテキトーな感じで準備は進んでいき(むしろ準備らしい準備はしておりませんが)前日まで当日の予定も、それこそ衣装すらもいまいちピシッと決まらずに迎えた本番でした。ここまでオフレコ書いてしまっていいのだろうかと心配になりますが、すみません、夏なので脳味噌うだってたのでしょう…。

当日。事前のホール打ち合わせのようなものは皆無だったため、朝9時にホールが開いた時点でようやくひな壇などのプランが決まるという背筋も凍る流れ。しかしちゃんとティンパニ用の島を用意してくださったり、さすが多用されているだけあってスタッフの方も慣れているんだなあと感じました。客電や舞台照明の使い方、ベルの鳴らし方なども直前に教わり、じつは本番中も打楽器パートの人間が操作していたというセルフっぷり。こちらがアバウトならあちらも比較的アバウトでした、なんとなく感謝です(?)。

セッティングが完了したところで、まさかの団長、これから仕事行ってきますという展開。みんなで「いってらっしゃーい!」と団長を見送り、第一部のリハ、そして早めの昼休み。12時過ぎ、無事に団長が帰ってきたところで第二部のリハ。ぱぱっと終わらせて、あとはお客さんが来てくれることを祈るのみ。そう、今回はあまりちゃんとした宣伝ができなかったのでいつも以上に心配だったのでありました。「演奏者より多いといいね…」という切ない想いで客席を眺めていましたが、開演が近づくにつれて思いのほかお客さんが増えてきて安心。あとは楽しむのみとなりました!

14時、予定通りに開演。初期イスメリの十八番「ドレミの歌」から演奏会スタートです! 第一回定期演奏会やその後の小さな本番などでちょくちょく演奏されてきたこの曲、最近ご無沙汰でしたが久々の抜擢となりました。なお第一部の指揮は、ときどき団員日記にも登場する副指揮者ぽんちゃん。そして今回の司会は団長自ら気ままに喋るという異例のスタイルでお届けしました。本番直前まで舞台袖で「何喋るか考えてねえ!」とか言ってましたが、とてもそうは思えないなかなかのトークだったのではないでしょうか。さすが営業マン!

二曲目はジャパグラシリーズの最新作「ジャパニーズ・グラフィティXV アニメヒロイン・メドレー」。イスメリといえばジャパグラ!と言っても過言ではないぐらいいっつもジャパグラを演奏していますが、今作はアッコちゃん、サリーちゃんからセーラームーン、プリキュアまで、世代を飛び越えまくりの豪華メドレーでした。もしかしたらこの曲は一年間ずっと使い回されるかもしれません(笑)

ここでちょっと雰囲気を変えて、アンサンブルのコーナーその1。まずはバリチュー…ではなくユーフォニアムとトロンボーンという不思議編成による「不思議の国のアリス〜星に願いを」。ちなみにこの二曲の編曲は、第四回定期演奏会にてイスメリに曲を書き下ろしてくれた秋本先生(なんて誰も呼びません愛称がんちゃん!)によるものです。続けてクラリネット四重奏で「崖の上のポニョ」。客席にいた小さなお子さんが腕をぱたぱたさせてノリノリだったのが最高に可愛かったです…!

第一部最後は、こちらもイスメリの十八番? なにかと演奏することの多い「となりのトトロ・メドレー」でした。でも多分こういうホールでやったのは初めてですね、ティンパニが入ったのも初めてですね、ちょいと感慨深いですね…! と感慨深かったところで、10分の休憩です。そういえばトトロ中(追記:うそ!ヒロイン中だったようです)に指揮棒が吹っ飛んで行ってどこかに刺さったそうです(笑)

第二部オープニングは、今までやってそうでじつはほぼやってない(歴史的に抹消されつつある第0回ばあんでやってるぐらい)「ディズニー・ファンティリュージョン!」。ここからは指揮も司会も団長の一人二役となりました(団長な時点で三役ですね)。団長はこのパレードがかなり好きだったらしく、なにかにつけて「いいなーまた観たいなー。エ○ク○リ○ル○レ○ドなんて××××!」などとぶつくさ言っておりました。

二曲目からはようやく吹奏楽のオリジナル曲にシフト! まずはお馴染みJ.スウェアリンジェンで「センチュリア」をお送りしました。スウェアリンジェンという名前を聞くだけで学生時代にタイムスリップしてしまう人、いっぱいいるんじゃないでしょうか。少なくとも僕が中学生の頃はコンクールの定番自由曲だったので非常に懐かしかったです。当時は演奏したことがなかったのですが、実際にやってみると、譜面的にはかなり簡単で、でもまさに吹奏楽!という醍醐味を味わえる、よくできた名曲だなあと思いました。

ここで再びアンサンブルのコーナー。先程と同じメンバーで今度はクラリネット四重奏から「クラリネット壊しちゃった」。だいぶ上級者向けっぽい難しいアレンジで聴きごたえがありました。続けて先程の金管謎アンサンブルメンバー+エレキベースという更に謎が深まる編成で「トランペット吹きの休日」。もちろん、このメンバーのなかにトランペット吹きは一人もおりません(笑) …ああそうか、トランペット吹きが休みだから他の人たちがやってるのか…。

さて、早いもので本編も最後! 最後にお送りしたのは、酒井格の超名曲「たなばた」。第二回定期演奏会ではメイン曲でした。このタイミングで再演です。第二回では最後の最後でいろいろ崩壊していき「会えなかった」バッドエンドとなったりもした曰く付きの曲なのですが、今回はちゃんと「会えた」演奏ができたのではないかと思います。いや前回のは会えなかったというよりは電撃破局ぐらいか…。あんまり書くとトラウマほじくりかえされる人がいるのでこのへんで終わりにしておきます(手遅れです)。

普段ならここで恐れ多くもアンコール待ちなわけですがこの日はセルフ司会進行だったため空気に耐えられず普通に団長のご挨拶が入りました(笑) すごくぎこちない感じで突入させていただいたアンコールは「エル・クンバンチェロ」! 定番中の定番曲ながらイスメリでは演奏のたびに少しずつカスタマイズを重ねて楽しいことになっております。次はいつ演奏できるか全くの不明ですが、もし出くわした際にはニヤッとしてくださいませ!

そんなこんなであたたかい拍手のなか無事終了。今回はちゃんとしたお見送りはできませんでしたが、ご来場下さった皆様、本当にありがとうございました!皆様のなかで 2010年夏のちょっとした想い出になっていたらいいなあ、と思います。

以上、行き当たりばったり演奏会の行き当たりばったりレポでした! 珍しく本番翌日に書いていたらうっかりこんなに長くなってしまいお恥ずかしい限りでございますが、それだけやっているほうも楽しい演奏会だったということでお許し下さいませ。なお本番後は普通に定演レベルの大規模打ち上げが華々しく行われ、来る第六回定期演奏会に向けて意識を高めたかどうかは分かりませんが少なくともテンションは高まったことでしょう。第六回定期演奏会にもご期待下さい!

夏メリの模様

プログラム

  • 第一部
    • ドレミの歌 / 星出尚志 編
    • ジャパニーズ・グラフィティXV アニメヒロイン・メドレー / 星出尚志 編
    • 不思議の国のアリス〜星に願いを / 秋本一磨 編(Tb×Euphアンサンブル)
    • 崖の上のポニョ / 原田大雪 編(Clアンサンブル)
    • となりのトトロ・メドレー / 磯崎敦博 編
  • 第二部
    • ディズニー・ファンティリュージョン! / 星出尚志 編
    • センチュリア / J.スウェアリンジェン
    • クラリネット壊しちゃった / 高橋宏樹 編(Clアンサンブル)
    • トランペット吹きの休日 / David Baldwin 編(Tb×Euph×E.Bassアンサンブル)
    • たなばた / 酒井格
  • アンコール
    • エル・クンバンチェロ / 岩井直博 編