町田・相模原イーストメリーウインドオーケストラ

アルコ×イスメリ ジョイントコンサート / 大和市文化創造拠点シリウス やまと芸術文化ホール(2021/10/30)

記念写真

チラシ
同じ地域で活動されているアルコバレーノウインドオーケストラからお声掛けをいただき、イスメリとしては2016年以来3回目となる他団体様との合同演奏会=ジョイントコンサートに出演いたしました。

「2年3ヶ月」──イスメリがお客様の前で演奏していなかった期間です。新型コロナウイルスの影響で2020年2月の「第15回定期演奏会」は無観客開催へ切り替え。翌2021年2月の「第16回定期演奏会」は中止となりました。今回のジョイントコンサート出演に際し「有観客はいつぶりだろう」と調べてみたところ、なんと2019年7月の「夏メリvol.3」が最後。「2年3ヶ月ぶり」という予想以上の数字が出てきたのでした。

アルコバレーノウインドオーケストラ様(以下“アルコさん”)からお声掛けいただいたのは5月の初め。緊急事態宣言のさなか、イスメリは夜間の練習ができないため団員の出席率も下がり、振り出しに戻ったような小編成で細々と活動していた頃です。決まっている本番は2022年2月の定期演奏会のみ。それも開催の保証は全くない。そんなところに飛び込んできたジョイントのお誘い。実感はありませんでしたが、お受けすることにしました。

結果的に、お受けして本当に良かったと思います。この企画がなければイスメリは今もまだ萎んだまま、動き出せずにいたかもしれません。それまで繋がりのなかったイスメリに、このタイミングで声を掛けてくださったアルコさん。感謝しかないです。

会場前に集合

ところで本来ジョイントコンサートといえば、対面で打ち合わせを重ね、合同練習も重ね、とにかくディスタンスを縮めるイベントです。そう、コロナ禍においてはできないことばかりの企画です。実際どのようにしたのかというと、まず打ち合わせは全てリモート。合同練習は行わず、通常恒例である「合同ステージ」は簡単なアンコール1曲のみとしました。つまり当然「本番が初顔合わせ」。これまでの感覚からすると未曾有の演奏会です。

上の写真は本番の朝、会場前に集合した2団体のメンバー。とても「顔合わせ」ができるような人数ではない、と当日になって気付くわけですが…(笑) それもまたジョイントコンサート。いろいろすっ飛ばして本番の模様をどうぞ。

プログラム

  • 第一部《アルコバレーノステージ》指揮:西上純平
    • ディズニー・ファンティリュージョン! / 星出尚志 編
    • ディズニーヴィランズ・メドレー / 鈴木英史 編
    • ラ・ラ・ランド / 天野正道 編
    • レ・ミゼラブル / M.ピータース 編
  • 第二部《イーストメリーステージ》指揮:武田祐樹
    • ミュージカル「ゴルディロックス」序曲 / L.アンダーソン(牛島義寿 編)
    • 「ライオン・キング」メドレー / J.ヒギンズ編
    • ミュージカル「キャッツ」より メモリー / 星出尚志 編
    • ダンソン No.2 / A.マルケス
  • アンコール《合同ステージ》
    • 宝島 / 和泉宏隆(真島俊夫 編)


アルコさんステージ

アルコさんは前年のシンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会で金賞を受賞されている実力派バンド。舞台袖で聴いていても、シャープでクリアなのに重厚で滑らかで、そんでもってお洒落で! イスメリにはひっくり返っても出せないような天上のサウンドです。『ラ・ラ・ランド』などはまるでサントラを聴いている感覚でした。

そんな耳福ステージの後に僭越ながら演奏させていただくイスメリは、開き直っていつもの姿を見せるほかありません。アルコさん同様ミュージカル曲を中心にイスメリらしい曲を選び、今できる限りのイスメリをご覧いただきました。中の人の個人的意見としては、今回の演奏会でアルコさんのサウンドと直に聴き比べることでこれまでになく「イスメリサウンド」というものを自覚できた気がします。「洗練」には遠いけれど、これがうちの音なのだなあと。

イスメリステージ

アンコールは総勢約100名の合同バンドで『宝島』。アルコさんのアルトサックスをフィーチャーし、イスメリ常任指揮者・武田のタクトでお送りしました。当日リハ1回きりでの本番でしたが、流石は吹奏楽人の共通言語『宝島』。多幸感あふれる締めくくりになったのではと思います。前年の無観客演奏会で拍手や手拍子の有り難みを知ったイスメリ的には、大勢のお客様の前で、手拍子が聞こえるなかでの演奏という、それもまた感慨深いものでした。

ちなみに当日は本番のステージ上でも演奏時以外はマスク着用を徹底。写真ではノーマスクの世界が広がっておりますがそれはこの時だけです。また場内スタッフ業務は外注することなく出演者のみで分担し、お客様にも感染症対策として入場時の検温や連絡先記入、終演後の規制退場等ご協力いただきました。イスメリはコロナ禍における有観客公演の経験がなかったのでアルコさんに全面的に助けていただきました。

合同ステージ

合同ステージ

最後に舞台上で締めのご挨拶をし、あとは一目散に撤収。打ち上げができないのは残念無念でしたが、普段接点のない楽団同士がこの異常事態において力を合わせるという経験ができたのはとても誇らしいことでしたし、イスメリにとっては2年3ヶ月ぶりの有観客公演再開の舞台を華やかに飾らせていただくことができ、そしてもちろん音楽的な刺激も受け、非常に得るものの多い企画であったことは間違いありません。

あらためましてアルコバレーノウインドオーケストラ様、お声掛けいただきありがとうございました! 共に切磋琢磨していける近隣の楽団様と新たに知り合えたこと、本当に嬉しく心強く思います。ディスタンスを縮められる時代が戻ってきましたら今度こそは打ち上げのできる演奏会を、是非また一緒にお願いします!

動画配信あります

今回も生配信を行いました。イスメリ公式YouTubeチャンネルにて、アルコさんのステージも含めて全編アーカイブ公開しています(アルコさんには許可をいただいています)。

文:池田@Perc